光藤佐 作品展 ”Mouvement”

Exhibition

光藤佐 作品展 ”Mouvement” 

 

2022年6月18日 (土)  –  7月3日 (日)

 

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 陶芸家 光藤佐さんの作品展を開催いたしました。
様式や技法によるバリエーションが豊富な光藤さんの作品は、絶妙な量感ある造形に釉薬の流れや絵付けが加わり、独特の躍動感を生んでいます。
それには若くして陶工として培われた技量や、料亭専属で料理のための器を作られた経験に加え、学生時代にクロッキーの修練や西洋絵画の学びを通して身につけられた、対象物の「動き」を捉え表現する力が生きているからではないでしょうか。

手に取るだけで料理を、輝く旬の食材たちを盛りつけたくなる。
そんな衝動がうまれる”Mouvement”な作品たちとの出会い。

 


光藤佐 Mitsufuji Tasuku
1962年兵庫県生まれ。京都府立陶工職業訓練校専攻科卒業後、十代の頃から職人として窯業に携わる。京都精華大学美術学部にて西洋における素描技法を中心に学び、ヨーロッパを旅して帰国。その後、陶芸家として活動を始める。2004年、兵庫県朝来市に工房と穴窯を築く。粉引、絵唐津、赤絵、黒釉、三島手、イッチン等、古今東西の器への好奇心から、その創作は多彩な広がりを続けている。

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 幼い頃から描くことが好きだったという光藤さん。陶芸家として活躍されるようになって以降は、書道を学び、漢詩を詠む、また空想の珍獣を描くなど、創作意欲が多方に広がり、またそこで培われた感性が、陶芸にもかえってくるようなところがあるのだと思います。
光藤さんが日本や朝鮮半島などの古陶に学び、その作風を広げてこられた原動力には、光藤さん自身の器への尽きない好奇心があるように感じます。

 

 

 

 

 

 伸びやかなシルエットが手に馴染む光藤さんの器たち。見た目の美しさはもちろんのこと、軽く、手のひらのカーブにしっくりと収まります。

棚から取り出し盛り付けて、食卓で振る舞い、洗って片付ける。
つかう体の動線と一体化する使いやすさも魅力のひとつかも知れません。

 

 

 西洋の古物のような瑠璃色が美しい花入に、野生の実が朱を添えてくれました。空間に植物の気配があると涼を感じます。

 

 

日常に自然と溶け込み、
気付けばいつの間にか掌に在る

光藤さんの器を
日々繰り返し使うなかで
感じた感覚です。

本展示を
楽しみにされていたお客様も多く、
作家本人の飾らない人柄とも相まって
終始 明るく賑やかな会期となりました。

お求めいただいた作品が皆様の暮らしに馴染み、
良き時間を過ごす一助となりましたら幸いです。

この度はご来場いただき
誠にありがとうございました。

SKLo 塚本美樹

 

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DM photo / interview : Kanna Ogawa    
Edit : SKLo